未成年者の相続放棄

未成年者の子だけの相続放棄には利益相反に注意!!


未成年者が相続放棄をするときに問題となるのが、「利益相反」です。 

誰と誰の利益が相反する(対立する)かといいますと、未成年者である子とその父母です。 
未成年者の相続放棄については、民法上親権者がかわりに行うこととされています。 

例えば、父が亡くなり、その相続人が母と子だった場合、母親が相続放棄をしているのであれば、子の相続放棄を母親が行うことはできます。 
しかし、相続人の母親が相続するのに、その子だけが相続放棄をする、というようなことはできません。 

亡くなった方の財産と借金を見ても借金の方が多かったので、子のために良かれと思ってやったとしても、家庭裁判所は形式面で判断するために、利益相反の問題が問われることになります。 
ですから、この場合は、親にかわって未成年者の相続放棄を進める人を決めます。 この相続放棄を進める人を「特別代理人」といい、相続放棄をすすめることについて裁判所の許可をもらいます。
当事務所は相続放棄のための特別代理人の選任手続きも代行しております。
費用はこちらをご覧ください。



ちなみに特別代理人の候補者については、未成年者と利害関係がなければ基本的には誰でも構わないそうで、基本的に申立をする側が選びます。 どんなひとが選ばれているかといいますと、未成年者のおじおば、祖父母などが選ばれる事が多いようです。 ちなみに、未成年者がひとりで相続放棄ができるのか、と言いますと、 およそ12歳以上で「事理弁識能力(自己の行為の結果を弁識するに足りる精神的な能力)」があれば出来るとされてはいますが、家庭裁判所の事務の取り扱いで特別代理人を選任することとなっています。 家庭裁判所次第では、受理してくれないということもありますので、未成年者の相続放棄については、特に注意が必要と言えます。 

(2)「特別代理人」はどのような人がなるのか? 未成年者の立場から、適切な人が選ばれます。 裁判所が勝手に指名するわけではありません。 特別代理人候補者は申立をする側が選びます。 裁判所に候補者を、特別代理人として認めてもらうという流れです。 未成年者の伯父、伯母、祖父、祖母などが選ばれる事が多いようです。 未成年者と利害関係がなければ基本的にはどなたでもなれます。 (3)「特別代理人」を選任する為にはどうしたらいいか? 親権者が未成年者の住所の管轄家庭裁判所に特別代理人選任審判を申し立てます。 (4)申立に必要な書類や提出すべきものは何か? 1.特別代理人選任申立書 2.親権者と子の戸籍 3.特別代理人候補者の戸籍及び住民票 4.利益相反となる行為に関連する書類(遺産分割協議書の原案など) 5.収入印紙800円、連絡の郵便切手


未成年者の子には迷惑を掛けたくないから、子だけ放棄をさせてあげたいと思われている方は、お気軽にご相談ください。